ブランド財布に掛け軸に…差し押さえ品の公売会 鹿児島
気になる品をじっくり見極め、値付けする。会場に並んでいたのはすべて税金の滞納者から差し押さえた物品です。県と市の合同公売会が鹿児島市で開かれました。
地方税の滞納者から差し押さえられ、公売にかけられた物品は約280点。売り上げは滞納された税金として納められます。
会場には一眼レフカメラや、掛け軸、中には最近は見かけなくなった黒電話も!
この後始まる入札を前に、訪れた人たちは興味津々です!
【参加者】
Qお目当ては?
「置物。いくらで値段つけるか、なかなか難しい」
【参加者】
「焼酎などが並んでいたので、夫婦そろって飲むので焼酎をゲットして帰れたらいいなと思う。(購入できたら?)もちろん、きょう乾杯する」
【記者】
「私が気になったのはこちら、大人気のニンテンドースイッチです。最低価格1万円ということですが、一体いくらで入札されるでしょうか?」
こちらのゲーム機。新品の販売価格は約3万円ほどですが、売却価格は1万5011円。購入した人は―
【購入者】
QもともとSwitchはお目当てだった?
「全然違った。孫に(プレゼントに)いいかなと思った。安価なところもあるのでそれはいいところ」
目玉企画、オークション形式の競り売りもありました。
ブランドものの財布や伊万里焼も!最高額となったのは、5000円からスタートした版画が3万9000円で落札されました。
【参加者】
Q購入したのは?
「湯呑みですね。飾るだけ。骨董品みたいな飾って楽しむものがあるのがいい」
【参加者】
Q購買品の魅力は?
「自分で書いて参加できるワクワク感」
今回で13回目となる県と各市による「合同公売会」。それぞれの自治体だけではなく、こうして一堂に会してイベント化することで集客力を増やし、少しでも税収を増やそうという狙いがあります。
県によりますと、滞納額のピークは国から地方への税源移譲が実施された2008年の49億5900万円。それ以降、右肩下がりで減っていました。
しかし、コロナ禍への支援として猶予されていた税制面での様々な支援が終わった反動もあり、昨年度は前年度より7700億円の増加に転じて、14億3300万円となったということです。
【県税務課 松相哲男 総括県税徴収対策官】
「一部の方に納税をそのままにすることは、公平性を著しく損ねるということがあります。そうならないよう取り組んでいる」
自治体は滞納者に督促をしたうえで、財産調査を行って預貯金や生命保険、給与などを差し押さえます。それでも足りない場合に、自宅などを捜索します。ただ、自宅の捜索には徴税だけではない大事な意味があるといいます。
【日置市税務課 北山哲也 係長】
「基本的には平等性から、(税金を)取る方向で、本人から直接いただく、もしくは差し押さえる。自宅の捜索や本人からの聞き取りで、生活困窮と判断した場合、福祉事務所に生活困窮ということでつなぐことにしている」